「国際連盟は、スズメが騒いでいるときにはうまく機能するが、ワシ同士が争うときにはまったく役に立たない」

- 1883年7月29日~1945年4月28日
- イタリア王国出身
- 政治家、新聞編集者、独裁者
- イタリア統一後初のファシスト政権を築き、ファシズムの創始者として知られる。1922年に首相に就任し、全体主義的体制を確立。第二次世界大戦では枢軸国側として参戦するが、戦争末期に失脚し、処刑された。20世紀の独裁政治を象徴する存在である。
英文
“The League is very well when sparrows shout, but no good at all when eagles fall out.”
日本語訳
「国際連盟は、スズメが騒いでいるときにはうまく機能するが、ワシ同士が争うときにはまったく役に立たない」
解説
この言葉は、国際連盟(The League of Nations)の無力さに対するムッソリーニの辛辣な批判である。彼は、小国間の紛争には介入できても、大国間の対立、すなわち「ワシ同士の争い」には手出しができないという現実を指摘している。これは、国際連盟が本来掲げていた集団安全保障の理念と、実際の国際政治の力関係とのギャップを露呈する言葉である。
ムッソリーニは、1930年代に入ると積極的に軍事行動を進めるようになり、特に1935年のエチオピア侵攻では、国際連盟の制裁が実質的に無力であることを証明した。この発言は、武力による現実的な力の行使こそが外交の本質であり、理念だけでは国際秩序は保てないという彼の現実主義的外交観を如実に反映している。
現代でも、国際連合(国連)に対して似たような批判がなされることがある。すなわち、強大国の利害が衝突する場面では、国際組織が機能不全に陥ることがあるという構造的な課題は、今日まで続いている。この名言は、理想主義と現実主義の緊張関係を鋭く突いた警句として、今なお示唆に富んでいる。
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