「圧政者への反逆は、神への服従である」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“Rebellion against tyrants is obedience to God.”
日本語訳
「圧政者への反逆は、神への服従である」
解説
この名言は、圧政に屈することを罪とし、それに立ち向かうことこそが道徳的・宗教的に正しい行いであるという、ベンジャミン・フランクリンの強い政治的信念を表明した一文である。アメリカ独立戦争の思想的背景の中で生まれたこの言葉は、権力の乱用や専制政治に対する正当な抵抗は、単なる反逆ではなく「神の意志にかなう行為」であると位置づける、啓蒙時代の道徳的革命論を体現している。
この言葉は、トーマス・ジェファーソンと共に独立の理念を築いたフランクリンらの思想を象徴し、政治的自由と信仰の自由を一体として捉える視点を提供している。つまり、神が人間に与えた自由と尊厳を奪う者に対しては、それを取り戻すための行動こそが宗教的にも正当化されるという考え方である。この名言は、「従順こそ美徳」とされた伝統的な権威観に対して真っ向から挑む、啓蒙思想の根本的挑戦を示している。
現代でも、専制政治や人権抑圧に対する市民の抗議や抵抗は、しばしばこの名言の文脈で正当化されることがある。「権力は正当性を持つときにのみ従うに値する」という思想は、民主主義の基礎であり、フランクリンのこの言葉はその倫理的根拠を宗教的表現で補強している。「圧政への服従は神への裏切りであり、反逆は神への忠誠である」――この名言は、自由と正義を求める者にとって、今なお力強い信条となり得る道徳的宣言である。
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