「私たちが他人の発明から多くの恩恵を受けているように、自分の発明で他人に尽くす機会を得たなら、それを喜び、惜しみなく寛大に行うべきである」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“As we enjoy great advantages from the inventions of others, we should be glad of an opportunity to serve others by any invention of ours, and this we should do freely and generously.”
日本語訳
「私たちが他人の発明から多くの恩恵を受けているように、自分の発明で他人に尽くす機会を得たなら、それを喜び、惜しみなく寛大に行うべきである」
解説
この名言は、人類の進歩が互いの知恵と発明の共有によって築かれてきたことを認識し、自らもその恩恵の循環に貢献すべきだという、高潔な公共精神を表したものである。ベンジャミン・フランクリンは、自らも多くの発明や改良を手がけながら、それらを特許で独占することなく、「人類のために役立てばそれでよい」と無償で公開した姿勢を貫いた。この言葉は、知識や成果を私有化するのではなく、共有と奉仕によって社会を豊かにすべきであるという理想を語っている。
現代においても、特許、著作権、知的財産の独占が技術革新を阻むことがある一方で、オープンソースや共有経済の広がりはこのフランクリンの精神に通じる動きである。この名言は、「受けた恩は返すのではなく、次に渡す」という利他的で持続可能な発展の思想を教えてくれる。
この言葉にはまた、真の発明や創造の価値は、その有用性と公共性にあり、それをいかに社会に還元できるかによって測られるという倫理的な信念が込められている。フランクリンは、知識は蓄積するものではなく、分かち合うことによって力を持つと考えていた。「人の発明に学び、自らの発明をもって人を助けよ」――この名言は、科学、技術、芸術、あらゆる創造の営みに携わる者たちに贈る、永遠の道しるべである。
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