「飢えで死ぬ者はほとんど見なかったが、食べすぎで死ぬ者は何十万と見た」

ベンジャミン・フランクリンの名言
ベンジャミン・フランクリンの名言
  • 1706年1月17日~1790年4月17日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、発明家、科学者、著述家
  • アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。

英文

“I saw few die of hunger; of eating, a hundred thousand.”

日本語訳

「飢えで死ぬ者はほとんど見なかったが、食べすぎで死ぬ者は何十万と見た」

解説

この名言は、人間が恐れる「飢え」よりも、実際には「過剰」こそが多くの害をもたらすという逆説的な真理を、鋭く風刺的に表現したものである。ベンジャミン・フランクリンは、節制と健康を重んじた思想家であり、生きるための欲求が、満たされすぎたときにこそ破滅を招くという教訓を、この言葉に込めている。これは単なる食事にとどまらず、過剰な欲望全般に対する警鐘とも受け取れる。

現代社会においては、飢餓よりもむしろ肥満や生活習慣病が重大な健康問題となっており、栄養過多や食の乱れが原因で命を縮める人の数は決して少なくない。この名言は、「足りないこと」よりも「ありすぎること」の方が、しばしば危険であるという逆転の構造を示し、現代人の生活にも深く通じる警句となっている。

この言葉にはまた、人間の本性に潜む欲望の危うさと、それを制御する理性の必要性が込められている。フランクリンは、「食べるために生きる」のではなく、「生きるために食べる」ことの大切さを強調し、節度ある生活こそが健康と長寿への道であると信じていた。「飢え」は外的な問題だが、「過食」は内なる欲望の問題であり、それを克服できるかどうかが人間の知恵と品性を試すという深い教訓が、この一文には宿っている。

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