「人生を最初から最後までもう一度やり直すことに、私は何の異論もない。ただし、作家が第2版で第1版の誤りを修正できるように、私にもそれを許してくれるならば」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“I should have no objection to go over the same life from its beginning to the end: requesting only the advantage authors have, of correcting in a second edition the faults of the first.”
日本語訳
「人生を最初から最後までもう一度やり直すことに、私は何の異論もない。ただし、作家が第2版で第1版の誤りを修正できるように、私にもそれを許してくれるならば」
解説
この名言は、過去の人生を肯定しつつ、そこに含まれていた誤りを冷静に見つめ直すフランクリンの成熟した自己認識とユーモアが込められた一文である。彼は人生を「一冊の本」に喩え、人間は失敗から学び、それを次に活かす力を持つという思想を、出版の「改訂版」という比喩で巧みに表現している。これは、経験の価値を認めつつも、理想として「もしやり直せるならば」という希望を内包する、深い人生観である。
現代においても、多くの人が過去の失敗を悔やみ、「あの時こうしていれば」と思う場面は少なくない。しかしフランクリンは、過去を否定するのではなく、それを「編集し直したい」と願うことで、自己の歩みを肯定的に受け入れている。この名言は、人生は一度限りだが、学びによって自己を更新し続けることは可能だという教訓を伝えている。
この言葉にはまた、完璧な人生など存在せず、誰しも誤りとともに歩むが、それを正す意志と機会があれば人生はより良い「改訂版」になるという、自己改善と寛容の哲学が込められている。フランクリンは、自分の人生を肯定的に振り返りながらも、そこに「もっとよくできたかもしれない」という謙虚さを失わなかった。**「もう一度生きるなら、修正する力を持っていたい」――この言葉は、人間の成長と反省の尊さを讃える静かで温かな名言である。
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