「自分のことばかりに包まれている人間は、極めて小さな包みになる」
- 1706年1月17日～1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“A man wrapped up in himself makes a very small bundle.”
日本語訳
「自分のことばかりに包まれている人間は、極めて小さな包みになる」
解説
この名言は、自己中心的な人間は結果として器も影響力も小さくなるという、鋭い風刺と人生観が込められた言葉である。ベンジャミン・フランクリンは、公の奉仕と他者への貢献を重んじ、真に価値ある人間とは、他者との関わりの中で自らを広げていく存在であると考えていた。この言葉は、利己的な態度が人間の可能性を狭め、尊敬や信頼からも遠ざけることを、ユーモラスな比喩で語っている。
現代においても、社会的な成功や人間関係において、共感や協力、奉仕の精神を持つ人がより多くの信頼と影響力を得る。一方で、自分の利益や関心にしか目を向けない人は、他者との関係が希薄になり、結果として孤立し、可能性も限定的になる。この名言は、人間の大きさは内向きの意識ではなく、どれだけ外に向かって開かれているかによって決まるという普遍的な価値を伝えている。
この言葉はまた、自己に閉じこもる生き方ではなく、他者とつながり、社会に貢献する姿勢こそが、豊かで意味のある人生を形づくるというメッセージでもある。フランクリンは、個人主義に流されすぎず、他者とともに生きる人間の徳を重んじた思想家であった。自分の殻に閉じこもらず、外に向かって心を広げることこそが、人としての「大きさ」をつくるという教訓が、この簡潔で印象的な一文に凝縮されている。
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