「すべての印刷者が、誰も不快にしないと確信できるまで何も印刷しないと決めたなら、世に出る印刷物はごくわずかになるだろう」

- 1706年1月17日~1790年4月17日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、発明家、科学者、著述家
- アメリカ独立戦争で重要な役割を果たし、アメリカ合衆国の建国の父の一人として知られる。電気に関する研究で著名な発明家であり、定常波や避雷針の発明者。外交官としても活躍し、フランスとの友好条約締結に尽力した。
英文
“If all printers were determined not to print anything till they were sure it would offend nobody, there would be very little printed.”
日本語訳
「すべての印刷者が、誰も不快にしないと確信できるまで何も印刷しないと決めたなら、世に出る印刷物はごくわずかになるだろう」
解説
この名言は、表現の自由と真実の伝達に不可避な「誰かを不快にする可能性」を強調した、フランクリンならではの現実的な警句である。印刷業者として、そして言論人として活動した彼は、真実や意見を伝えることが誰かの感情を刺激することを避けられないという事実を深く理解していた。この言葉には、完全な無害を目指すあまり言論そのものが失われてしまう危険性への警鐘が込められている。
現代においても、言論や報道、出版物は常に「誰かの不快感」と隣り合わせである。政治的、宗教的、社会的な意見は、いかなる立場であっても、ある人々には異論や反感を抱かせる。だからこそ、「誰も傷つけない言葉」ばかりを選ぶことは、言論の役割を矮小化し、真理や議論の機会を失わせることにつながりかねない。
この名言は、表現の責任とは同時にリスクを引き受ける勇気でもあることを教えている。フランクリンは、自由社会において言葉の力は不可欠であり、時に不快であるからこそ価値があると信じていた。沈黙の中に平和があるのではなく、多様な意見の中に真の知識と進歩が育まれるという信念が、この一文に込められている。
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