「私にとって武道の非凡さはその単純さにある。簡単な道こそ正しい道であり、武道は決して特別なものではない。真の武道に近づくほど、表現の無駄が少なくなる」

- 1940年11月27日~1973年7月20日
- アメリカ合衆国出身(香港育ち)
- 武道家、俳優、映画監督、哲学者
- 武道の革新者として、特に「截拳道(ジークンドー)」を創始し、世界的な影響を与えた。映画『ドラゴン危機一発』『燃えよドラゴン』などで知られ、アクション映画の金字塔を打ち立て、アジア系俳優の国際的な地位向上にも貢献した。
英文
“To me, the extraordinary aspect of martial arts lies in its simplicity. The easy way is also the right way, and martial arts is nothing at all special; the closer to the true way of martial arts, the less wastage of expression there is.”
日本語訳
「私にとって武道の非凡さはその単純さにある。簡単な道こそ正しい道であり、武道は決して特別なものではない。真の武道に近づくほど、表現の無駄が少なくなる」
解説
この言葉は、真理は複雑さの中ではなく、単純さの中にこそ宿るという思想を武道の文脈で語っている。ブルース・リーは、華美な型や伝統にとらわれず、最も効果的で自然な動きこそが武道の本質であると考えていた。彼にとって武道とは技巧を誇示するものではなく、余計なものを削ぎ落とした先にある純粋な自己表現の手段であった。
「簡単な道こそ正しい道」という言葉には、本質に近づくほど方法は自然で明快になるという信念が現れている。これは彼の創始したジークンドーの哲学にも通じ、多くを学び、多くを捨て、最後に残るシンプルな核こそが真の力であるという考え方を象徴する。武道が「特別なものではない」とされているのも、日常の延長にある生き方の表現として捉えているからである。
この名言は、現代のあらゆる技術や芸術、さらには日常生活においても応用可能である。複雑さや派手さにとらわれず、最も自然で効果的な方法を追求することこそが本物の洗練であると教えている。武道を通じた彼の哲学は、無駄を削り、本質を見極める姿勢として今も多くの人々に影響を与え続けている。
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