「アメリカ人が思いつく限りの愚行を犯すのは確かだ。それに加えて、想像を超えるような愚行さえも犯すだろう」

- 1890年11月22日~1970年11月9日
- フランス出身
- 軍人、政治家、第18代フランス大統領
- 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。
英文
“You may be sure that the Americans will commit all the stupidities they can think of, plus some that are beyond imagination.”
日本語訳
「アメリカ人が思いつく限りの愚行を犯すのは確かだ。それに加えて、想像を超えるような愚行さえも犯すだろう」
解説
この名言は、アメリカの外交政策や国際的行動に対するシャルル・ド・ゴールの辛辣な批判と皮肉を込めた発言である。ド・ゴールは冷戦期、アメリカの過剰な介入主義とグローバルな影響力の行使に対して慎重かつ批判的であり、フランスの独立した立場を守るために、しばしばアメリカと距離を置く選択をした。この言葉は、その根底にある懐疑と不信、そして米国の行動がしばしば予測不能かつ自己中心的であるという見方を表している。
この名言が放たれた背景には、1960年代のベトナム戦争やNATOの軍事方針、国際通貨体制など、アメリカが国際舞台でとった一連の行動がヨーロッパ、とりわけフランスの立場を脅かすと見なされた状況がある。ド・ゴールにとって、アメリカは力のある同盟国であると同時に、油断ならない覇権国家でもあった。そのため、このような辛辣なユーモアを通して、アメリカに対する牽制とフランスの主体性の保持を表明したのである。
現代においてもこの名言は、強大な権力を持つ国家がいかに誤った判断を重ねうるかという警告として読み解くことができる。また、同盟関係においても無条件の信頼ではなく、常に相手の行動に対する批判的な視点と戦略的自立が求められるという現実主義の教訓としても機能する。この言葉は、ユーモアの裏に鋭い洞察と国家戦略の本質が込められた名言である。
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