「条約というものはね、娘やバラのようなものさ。続く間は続くだけの話だ」

- 1890年11月22日~1970年11月9日
- フランス出身
- 軍人、政治家、第18代フランス大統領
- 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。
英文
“Treaties, you see, are like girls and roses; they last while they last.”
日本語訳
「条約というものはね、娘やバラのようなものさ。続く間は続くだけの話だ」
解説
この名言は、条約の本質的な儚さと、国際政治における現実主義的な姿勢を皮肉混じりに表現している。シャルル・ド・ゴールは、国家間の取り決めが永久不変のものではなく、状況や利害の変化によって容易に破棄され得ることをよく理解していた。ここでの「娘」や「バラ」は、一時的な美しさや儚さの象徴であり、条約もまた外面的には美しくとも、内実は常に変動のリスクを孕んでいるという警鐘である。
この言葉の背景には、ド・ゴールの一貫した外交姿勢がある。彼はフランスの戦略的自立を重視し、同盟や国際的合意に過度に依存することを避けた。たとえば、NATO軍事機構からの脱退や、アメリカ主導の政策に対する距離の取り方は、条約よりも自国の利益と判断を優先するという現実主義に基づいている。この名言は、約束が紙に書かれているからといって、それに永続的な信頼を寄せるべきではないという警告である。
現代においてもこの言葉は有効である。外交文書や国際協定が次々と破棄されたり再交渉されたりする現実を踏まえると、国家の安全や利益は「条約」ではなく、それを守るだけの「意思と力」によってこそ保障される。この名言は、国際関係における盲目的な信頼を戒め、冷静な備えと柔軟な判断の重要性を語っている。
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