「二百四十六種類ものチーズがある国を、どうやって統治できるというのか」

シャルル・ド・ゴールの名言
シャルル・ド・ゴールの名言
  • 1890年11月22日~1970年11月9日
  • フランス出身
  • 軍人、政治家、第18代フランス大統領
  • 第二次世界大戦中に自由フランスを主導し、戦後はフランス第五共和政を樹立。大統領として強力な指導力を発揮し、植民地政策の転換や独自の外交路線を推進した。近代フランスの象徴的指導者として知られている。

英文

“How can anyone govern a nation that has two hundred and forty-six different kinds of cheese?”

日本語訳

「二百四十六種類ものチーズがある国を、どうやって統治できるというのか」

解説

この名言は、フランスの多様性とその統治の困難さをユーモアを交えて表現したものである。チーズはフランス文化を象徴する代表的な食品であり、その種類の多さは地域ごとの独自性、風土、好みの違いを反映している。この言葉の裏には、極めて多様な意見や価値観を持つ国民をまとめることの難しさに対する、シャルル・ド・ゴールの率直な嘆きがある。

ド・ゴールは、第二次世界大戦後に混乱するフランスを再建し、第五共和制を導入するなど、分裂しがちな国家を一つにまとめ上げるために奮闘した人物である。しかしその過程で、労働組合、学生運動、地方主義、宗教的対立といったさまざまな社会的分断に直面した。そうした経験を踏まえ、この発言は政治的統合の難しさを、皮肉と共に文化的誇りとして語ったものとも解釈できる。

現代においても、この言葉は多様性と統治のバランスを考えるうえで重要な示唆を与える。グローバル化が進むなか、民族、宗教、言語、価値観が錯綜する国家において、全体をまとめるには寛容と柔軟性、そして現実へのユーモアが必要不可欠である。この名言は、多様性を誇りとしながらも、それを統治する困難さを忘れてはならないという、リーダーとしての自覚の表れである。

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