「これまで幾度もあの悪党・死を真正面から見据えてきたが、今回はどうやら奴に追い詰められているようだ」

ダグラス・マッカーサーの名言
ダグラス・マッカーサーの名言
  • 1880年1月26日~1964年4月5日
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、陸軍元帥、統治官
  • 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。名言「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と共に、20世紀の軍事と外交の象徴的存在として知られている。

英文

“I’ve looked that old scoundrel death in the eye many times but this time I think he has me on the ropes.”

日本語訳

「これまで幾度もあの悪党・死を真正面から見据えてきたが、今回はどうやら奴に追い詰められているようだ」

解説

この言葉は、死という避けがたい存在を、あえて擬人化し冗談めかして語ることで、恐れよりも覚悟を滲ませた表現である。マッカーサーのように長く軍務に生き、戦場に何度も身を置いた人物が、幾度も死と隣り合わせだった経験を振り返りつつ、老境に至ってその訪れを静かに受け入れている様子が感じられる。ここでの「on the ropes(ロープ際に追い詰められている)」という比喩は、ボクシングにおいて敗北寸前の状態を指し、死との最後の勝負に臨む心境を端的に表している。

またこの言葉には、死を一度も避けられたことがない人間としての謙虚さも感じられる。かつての軍人としての勇ましさだけでなく、老兵としての限界と終焉を自然なものとして受け入れる姿勢が見て取れる。ユーモアを交えながらも、自らの最期を語るその姿には、恐れよりも静けさと達観がある

現代においても、この名言は、死を語ることがタブーとされがちな風潮への風穴となる。誰しもに訪れる終わりを、冗談と敬意をもって受け入れる姿勢は、生の充実と一体不可分である。この一言は、死を恐れず、しかし軽んじず、己の人生を最後まで見つめることの大切さを教えてくれる。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る