「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」

- 1880年1月26日~1964年4月5日
- アメリカ合衆国出身
- 軍人、陸軍元帥、統治官
- 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。名言「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と共に、20世紀の軍事と外交の象徴的存在として知られている。
英文
“Old soldiers never die; they just fade away.”
日本語訳
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」
解説
この言葉は、1951年にマッカーサーがアメリカ議会での退任演説の最後に用いたものである。戦場から離れた兵士たちは英雄として死ぬのではなく、静かに歴史の中に姿を消していくという趣旨であり、個人の引退と名誉ある退場を詩的に表現している。軍人としての務めを果たした後の静けさを、余韻ある表現で締めくくった点に、マッカーサーの美学が現れている。
この言葉は、彼の退任に対する自己認識と国家への忠誠を象徴しており、戦争の終結と共に役目を終えた兵士の生き方にも通じる。とりわけ、マッカーサー自身が解任という形で軍務を終えたことを踏まえると、これは名誉を保ったまま歴史に身を委ねる覚悟の表明でもある。彼は英雄的な退場を望まず、むしろ歴史の流れに自らを溶け込ませる姿勢を示した。
今日でもこの言葉は、役目を終えた人間の品位ある退場を意味する表現として広く引用される。政治家やリーダーが任を終えるとき、また退職や引退を迎える場面で、功績を称えつつ静かに幕を引く態度の美しさを象徴するフレーズとして機能している。このように、マッカーサーの言葉は一人の軍人の引退を超えて、普遍的な終わりの美学を語るものとなっている。
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