「ドミノを一列に並べて、最初の一つを倒せば、最後の一つが倒れるのはあっという間のことだ」

- アメリカ合衆国出身
- 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
- 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。
英文
“You have a row of dominoes set up; you knock over the first one, and what will happen to the last one is that it will go over very quickly.”
日本語訳
「ドミノを一列に並べて、最初の一つを倒せば、最後の一つが倒れるのはあっという間のことだ」
解説
この名言は、いわゆる「ドミノ理論」を象徴する表現であり、アイゼンハワーが冷戦下の共産主義拡大に対して用いた、地政学的連鎖の危機を示す比喩である。彼は、ある一国が共産主義に陥れば、その隣国や周辺諸国も次々と同様の道をたどる可能性があると主張し、一国の防衛が全体の安定に直結するという考えをこの言葉で示した。
この「ドミノ」比喩は、1950年代から1970年代にかけてのアメリカの外交政策、とくに東南アジアにおける介入や軍事援助の理論的根拠として用いられた。特にベトナム戦争においては、「最初のドミノを倒してはならない」という論理が、アメリカの介入の正当化に用いられた。この表現には、一見小さな出来事が連鎖的に大きな変動を引き起こすという政治的警告が込められている。
現代においても、一つの政策決定や国際的事件が他の国や地域に波及しやすいグローバルな世界では、この名言の示す「連鎖の力学」は依然として有効である。ただし、ドミノ理論がすべての情勢に当てはまるわけではなく、過度な単純化によって誤った判断を生むリスクも存在する。この名言は、行動の初動が持つ波及効果の重大性と、それに伴う戦略的な責任の重さを問いかける言葉として今なお重い意味を持っている。
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