「大統領になりたがる者は、自己陶酔者か、頭がおかしいかのどちらかだ」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“Any man who wants to be president is either an egomaniac or crazy.”

日本語訳

「大統領になりたがる者は、自己陶酔者か、頭がおかしいかのどちらかだ」

解説

この名言は、大統領職に就こうとする者の動機と精神状態に対する、アイゼンハワー特有のユーモアと皮肉が込められた言葉である。彼自身、軍人として国民の信頼を集めて大統領となったが、積極的にその座を欲したわけではなく、むしろその重責と困難を熟知していた。だからこそこの発言には、大統領職がいかに過酷で報われにくいものであるかという現実を踏まえた、冷静で率直な見解がにじんでいる。

「egomaniac(自己陶酔者)」と「crazy(正気でない)」という極端な言葉を用いることで、アイゼンハワーは野心や権力欲に突き動かされて大統領職を目指すことの危うさを強調している。特に民主国家においては、公職は私利私欲のためにあるものではなく、重い責任と犠牲を伴う奉仕の場であるという考えが根底にある。彼のこの発言は、権力を求める者への警告と、真にふさわしい指導者とは何かを考えさせる問いかけでもある。

現代においても、政治的野心や自己顕示欲が前面に出すぎるリーダーへの懸念は多く存在する。この名言は、リーダーシップの本質が名誉や地位ではなく、重責に耐えうる覚悟と誠実さにあることを思い起こさせる。アイゼンハワーのように、権力を求めずして託され、責任をもって全うする姿勢こそが、本当の指導者の資質であるというメッセージが、この皮肉めいた一言に込められている。

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