「70歳を過ぎてこの職に就くべき人などいない──それだけは私は確かにわかっている」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“No one should ever sit in this office over 70 years old, and that I know.”

日本語訳

「70歳を過ぎてこの職に就くべき人などいない──それだけは私は確かにわかっている」

解説

この名言は、アメリカ合衆国大統領という職務の過酷さと、それに求められる体力・判断力の限界について、アイゼンハワーが率直に語った言葉である。彼自身、大統領在任中に心臓発作や健康問題を経験しており、国家を導くという職責の重さが、高齢においては大きな負担になることを身をもって実感していた。この発言には、自省と、後進に対する現実的な忠告の意味が込められている。

「that I know(それだけは確かにわかっている)」という語尾には、体験に裏打ちされた確信と、ややユーモラスな諦念の混じった誠実な響きがある。ここでの「この職」とは、大統領としての政治的・軍事的判断、外交交渉、国内の統治など、絶え間なく重要な決断を求められる最高権力の座を意味している。アイゼンハワーは、その職責がいかに激務で、年齢による限界が無視できないものであるかを率直に認めている。

現代の政治においては、高齢の政治指導者が増える一方で、リーダーに求められる身体的・精神的な能力の維持が議論されている。この名言は、年齢に対する差別ではなく、リーダーシップには現実的な条件が必要であるという理性的な視点を示している。個人の経験や知恵を尊重しつつも、国家のために何が最善かを冷静に考えるべきだという、誠実なリーダーの心得をこの言葉は語っている。

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