「本を焼く者の仲間になるな。ある思想が存在した証拠を隠したところで、その思想自体を隠せると思ってはならない」

- アメリカ合衆国出身
- 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
- 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。
英文
“Don’t join the book burners. Do not think you are going to conceal thoughts by concealing evidence that they ever existed.”
日本語訳
「本を焼く者の仲間になるな。ある思想が存在した証拠を隠したところで、その思想自体を隠せると思ってはならない」
解説
この名言は、思想の自由と知識の保存に対する力強い擁護であり、検閲や情報統制に対する厳しい警告である。アイゼンハワーは、第二次世界大戦においてナチス・ドイツによる書籍の焚書や思想弾圧を目の当たりにしており、自由な社会においては、どのような思想であれ存在を認め、記録として残すことが文明の基盤であるという信念を持っていた。
「book burners(本を焼く者)」とは、異なる思想や不都合な真実を抹消しようとする者の象徴である。ここで彼は、たとえ異論や過激な思想であっても、それを力で消し去るのではなく、議論と理性で向き合うべきであると訴えている。そして「concealing thoughts(思考の隠蔽)」は、思想を封じることで社会が安全になるという幻想を否定する論理であり、真実の存在は証拠を消しても消えないという深い認識が込められている。
現代においても、情報操作や検閲、歴史の書き換えといった行為は各地で問題となっている。この名言は、自由な社会とは多様な意見や記録が存在し続けることで成熟していくものであり、都合の悪い情報を抹消することは真実の否定でしかないという、揺るぎない原則を示している。知識を守ることは自由を守ることであり、思想に向き合うことが民主主義の責任であるという信念が、この言葉には込められている。
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