「士気が最も高いときは、その言葉がまったく口にされないときだ。士気についての話が多くなるときは、たいてい状況がひどい」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“The best morale exist when you never hear the word mentioned. When you hear a lot of talk about it, it’s usually lousy.”

日本語訳

「士気が最も高いときは、その言葉がまったく口にされないときだ。士気についての話が多くなるときは、たいてい状況がひどい」

解説

この名言は、真に健全な集団や組織の状態とは、精神状態や士気についてわざわざ語る必要がないほど自然に機能している状態であるという、現場感覚に根ざした洞察である。アイゼンハワーは、軍の最高司令官として大勢の兵士を指揮した経験を通じて、「士気が高い」というのは理論や言葉で作られるものではなく、信頼、明確な目的、そして一体感によって自然と生まれることを体感していた。

「士気(morale)」という言葉が頻繁に使われる場面は、しばしばリーダーや組織がその低下を意識し、何らかの問題を覆い隠そうとしている兆候であることが多い。つまり、士気の「話題化」は、すでに士気が失われつつある証拠である。アイゼンハワーは、真の士気は静かに存在し、目に見えないが確実に成果として表れるものであり、言葉にしなくて済むことがその健全さの証であると考えていた。

現代の職場やチームでも、同様の原則が当てはまる。頻繁に「やる気」や「団結」を鼓舞しなければならない状況は、多くの場合すでに問題が深刻化している証左である。この名言は、優れたリーダーとは、言葉ではなく環境と信頼によって人々の気持ちを整える者であるという教訓を含んでいる。士気の高さは語るべきものではなく、感じられるものであるという、静かで力強い真理を示している。

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