「戦いにおけるいかなる栄光も、それに流される血の代価に見合うものではない」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“There is no glory in battle worth the blood it costs.”

日本語訳

「戦いにおけるいかなる栄光も、それに流される血の代価に見合うものではない」

解説

この名言は、戦争の栄光や英雄的行為が、実際に支払われる人命の犠牲と比べて無意味であるという、極めて現実的かつ人道的な視点を表している。アイゼンハワーは第二次世界大戦における連合軍の最高司令官として、戦場での勝利の裏にある無数の犠牲者と苦悩を知り尽くしていた。その経験から、戦争の結果にどれほど名誉が与えられようと、それは失われた命に値しないという確信に至ったのである。

この言葉は、戦争を美化するナショナリズムや英雄譚への鋭い批判でもある。軍人であった彼自身が語ったからこそ、戦いの「栄光」が実際にはいかに虚しく、破壊的であるかを誰よりも説得力をもって伝えている。戦争は政治の延長ではなく、人間の尊厳を踏みにじる行為であるという、倫理的な認識がこの言葉の根底にある。

現代においても、戦争や武力行使が国益や正義の名のもとに語られる場面は少なくない。しかしこの名言は、いかなる正当化も犠牲者の命の価値には及ばないという普遍の真実を突いている。戦争を避けることこそ最大の勝利であるという考えを支える言葉として、この名言は平和と命の尊厳を訴え続けている。

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