「私は後年になって、私たちがとても貧しかったことに気づいた。しかしアメリカの栄光とは、当時それを知らずにいられたことだ」

ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
ドワイト・D・アイゼンハワーの名言
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、第34代アメリカ合衆国大統領
  • 第二次世界大戦中に連合国軍の最高司令官としてヨーロッパ戦線を指揮し、ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた。大統領としては冷戦下の安定と経済成長を推進し、州間高速道路網の建設や公民権運動初期への対応でも知られている。

英文

“I have found out in later years that we were very poor, but the glory of America is that we didn’t know it then.”

日本語訳

「私は後年になって、私たちがとても貧しかったことに気づいた。しかしアメリカの栄光とは、当時それを知らずにいられたことだ」

解説

この名言は、物質的な貧しさよりも精神的な充足が重視されるべきであるという、アメリカ的価値観への賛歌である。アイゼンハワーは、1890年生まれであり、幼少期を経済的に厳しい環境で過ごしたが、その中でも希望や誇りを持って生きていた経験を回想している。「貧しさを知らなかった」という表現は、単なる無知ではなく、家族や共同体の絆、努力、信念といった非物質的な価値が豊かであったことを示唆している。

この言葉は、アメリカンドリームの精神的側面を象徴している。経済的な豊かさに至るまでの過程において、貧困すらも成長の一部と捉える文化があり、それこそがアメリカの栄光(glory)であるという逆説的な誇りを表している。つまり、苦しい時代にも前向きに努力し、誇りをもって生きる姿勢が、国の強さや個人の成長の源泉であるとする考え方である。

現代においては、格差の拡大や経済的な不安が社会問題となっているが、この言葉は、幸福の本質は物質的な豊かさだけでは測れないことを改めて思い出させてくれる。信頼、希望、努力といった目に見えない資本が人間を支えるという価値観は、経済至上主義に傾きがちな現代社会に対する静かな批判であり、力強い提言ともいえる。

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