「自らの誤りを正すのに十年かかるような男は、たいした人物である」

ロバート・オッペンハイマーの名言
ロバート・オッペンハイマーの名言
  • 1904年4月22日~1967年2月18日
  • アメリカ合衆国出身
  • 理論物理学者、科学行政官、教育者
  • マンハッタン計画において原子爆弾の開発を主導し、「原爆の父」と呼ばれる。戦後は核兵器の規制と倫理的責任を訴え、冷戦下の科学と政治の関係に深い影響を与えた。

英文

“Any man whose errors take ten years to correct is quite a man.”

日本語訳

「自らの誤りを正すのに十年かかるような男は、たいした人物である」

解説

この言葉は、過ちを犯すことよりも、その過ちを認めて是正する力の大きさに焦点を当てた、オッペンハイマー特有の皮肉と敬意を含んだ評価である。十年という時間は、単なる失敗ではなく、深い誤解や重大な判断ミスが含まれていたことを示している。しかし、それを訂正できるということは、強靭な知性と誠実さ、そして自己省察の力を兼ね備えた人物であるという意味である。

この言葉には、短期的な成功ではなく、長期的に誠実であることの価値が示されている。科学や政治、社会運動などの分野では、誤りがすぐには明らかにならず、正すためにも多くの時間と抵抗を要する。それでもあきらめずに真理を追求し、自らの立場を見直す者こそが「たいした人物」なのである。

この考え方は、現代においても極めて重要である。リーダーや専門家が誤りを認めることを避け、短期的な評価やメンツに固執する傾向が強まる中で、自己の過ちを正す勇気を持つ人間の価値はますます高まっている。オッペンハイマーのこの言葉は、失敗そのものではなく、それにどう向き合うかが真の人間性を問うのだという強い倫理的メッセージを含んでいるのである。

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