「見るほどに、確信は薄れていく」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“The more I see the less I know for sure.”
日本語訳
「見るほどに、確信は薄れていく」
解説
この言葉は、ジョン・レノンの観察と思索を重ねるほどに深まる“確かさ”への疑念を率直に表現した一言である。彼は、多くを見聞きし経験を積む中で、かえって世界の複雑さと多層性に気づき、単純な真理や固定された価値観に対する自信が揺らいでいくことを語っている。これは、成熟した知性がしばしば持つ謙虚さと懐疑心を示すものである。
この言葉は、レノンが単なるミュージシャンにとどまらず、哲学的思考を伴う観察者でもあったことを物語っている。特に、彼が名声や社会の矛盾、政治の欺瞞と向き合う中で感じた、「真実」とされるものへの不信や問い直しの必要性が背景にある。世界を知ろうとする意志は強いが、その過程で「何もかもがわかる」とは決して言えない、という知と謙虚さの両立がここにはある。
現代においてもこの言葉は、情報や知識が氾濫するなかで、確実性や絶対性を求めることの危うさを戒めるものとして意味を持つ。学びや観察の目的は「すべてを知ること」ではなく、よりよく問い続ける力を養うことであると教えてくれる。レノンのこの一言は、知ることの深みと限界を同時に見つめる視点を私たちに残している。
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