「神とは、僕たちが自分の痛みを測るための概念だ」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“God is a concept by which we measure our pain.”
日本語訳
「神とは、僕たちが自分の痛みを測るための概念だ」
解説
この言葉は、ジョン・レノンが1970年の楽曲『God』の冒頭で述べた極めて象徴的なフレーズであり、信仰、苦悩、そして人間の精神的投影の本質を鋭く突いている。彼はここで「神」という存在を否定しているのではなく、神という観念が、人間の痛みや不安、救済への願望と深く結びついた“心の尺度”であると述べている。
レノンはこの曲の中で、イエス、仏陀、ヨーコ・オノ、ビートルズさえも信じないと断言し、依存先や偶像から自らを解放し、自分自身を信じて生きる覚悟を表明している。この言葉はその前提として、「神」というものがしばしば人間の苦悩の反映として機能してきたという逆説的な真理を含んでいる。つまり、苦しみが深いほど、人は“神”を必要とするのだという構造を暴き出している。
現代においてもこの言葉は、信仰と個人の感情、救済の必要性と内面の投影を考える上で非常に重要な視座を提供する。神を信じるかどうかの問題にとどまらず、私たちは何に救いを求め、何によって苦しみを測っているのかという問いを突きつける。レノンのこの一言は、信仰の心理的側面と、それを超えて自分自身と向き合う勇気を呼び起こす、深い哲学的命題を孕んだ言葉である。
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