「ロックンロールが先に消えるのか、キリスト教が先に消えるのか、僕にはわからない」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“I don’t know which will go first – rock ‘n’ roll or Christianity.”
日本語訳
「ロックンロールが先に消えるのか、キリスト教が先に消えるのか、僕にはわからない」
解説
この言葉は、1966年にジョン・レノンが発したとして有名な一節の一部であり、文化的影響力の交代についての皮肉と観察を含んだ発言である。レノンは、当時の若者文化の中でロックンロール、特にビートルズが持つ影響力が、宗教、とりわけ西洋におけるキリスト教の伝統的権威をしのぎつつあるという現象を指摘した。これは宗教的な神聖性よりもポップカルチャーが強い時代が到来しているという、文化論的な挑発でもあった。
この発言は、アメリカでは特に宗教的反発を招き、レコードの焼却や抗議運動に発展した。しかしレノン自身は、キリスト教そのものを否定したわけではなく、社会における精神的指標が音楽などの大衆文化に置き換わってきているという事実を冷静に観察していたにすぎない。この点において、発言はむしろ宗教の形骸化と、時代の変化への警鐘と解釈すべきである。
今日においてもこの言葉は、信仰と娯楽のはざまで揺れる現代社会の価値観を象徴するものとして、強い示唆を与えている。人々が何に心を預け、何を信じるのかという問いは、テクノロジーやグローバル化が進んだ現代でもなお有効である。レノンの言葉は、文化の主導権が宗教から芸術やメディアへと移行する過程を言い当てた歴史的発言として、今なお重みを持っている。
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