「私は死を恐れるよりも、名誉という名を愛している」

- 紀元前100年7月12日頃~紀元前44年3月15日
- ローマ共和国出身
- 軍人、政治家、作家、独裁官
- ガリア戦争での勝利により軍事的名声を得て、ローマ内戦を制して終身独裁官に就任。共和政を終焉へと導く政治改革を推進しつつも、元老院派により暗殺された。ローマ帝政への転換点を築いた古代史上最も影響力のある人物の一人として知られている。
英文
“I love the name of honor, more than I fear death.”
日本語訳
「私は死を恐れるよりも、名誉という名を愛している」
解説
この言葉は、名誉を人生の最高の価値とし、それを守るためには死さえも厭わないという、古代ローマの貴族的倫理観を体現した一言である。ここでの「honor(名誉)」とは、単なる評判ではなく、国家への忠誠、公的責任の遂行、人格の高潔さといった徳目の総体を指す。それゆえに、生き延びることよりも正しく生きることが重んじられている。
この名言は、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』において、カエサルが語った台詞として登場する。したがって、文献上の出典は劇作家による創作であり、実際にカエサルがこのように語ったという確証は存在しない。しかしながら、その内容はカエサルの人物像――すなわち死を恐れず国家の威信のために突き進んだ政治家・軍人としての姿勢に合致する。
ゆえにこの言葉は、史実の名言ではなく創作上のものではあるが、カエサルという人物の精神を象徴的に表現した文学的台詞として解釈するのが妥当である。
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