「私は、自然にも栄光にも満足できるほど、十分に生きた」

- 紀元前100年7月12日頃~紀元前44年3月15日
- ローマ共和国出身
- 軍人、政治家、作家、独裁官
- ガリア戦争での勝利により軍事的名声を得て、ローマ内戦を制して終身独裁官に就任。共和政を終焉へと導く政治改革を推進しつつも、元老院派により暗殺された。ローマ帝政への転換点を築いた古代史上最も影響力のある人物の一人として知られている。
英文
“I have lived long enough to satisfy both nature and glory.”
日本語訳
「私は、自然にも栄光にも満足できるほど、十分に生きた」
解説
この言葉は、人生の目的を「自然の寿命の達成」と「栄光の獲得」という二つの視点で語り、それをともに果たしたという満足を表している。すなわち、人間としての寿命を全うし、かつ歴史に名を残す栄誉を手にしたことをもって、死に臨む準備が整っているという心境が語られている。これは、死を恐れるのではなく、むしろ静かに受け入れる哲学的な態度を示している。
カエサルにとって「自然」は生命の限界であり、「栄光」は征服者としての名声、そしてローマ政治における卓越した業績である。彼はすでにガリアを征服し、内戦を勝ち抜き、ローマの頂点に立った。この言葉には、自らの生涯を振り返り、その意義と成果に対して揺るぎない確信を抱くカエサルの自負がにじんでいる。
現代においても、人は死を目前にして「生きた意味」や「達成感」を問うことがある。この名言は、目標を果たし、悔いなく生を閉じる理想像を示している。功なり名を遂げた者が語るこの言葉は、生き方と死に方の美学を教えるものであり、人生の終わりにおける静かな誇りと平安を映し出している。
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