「私たちには、完璧な仕事を成し遂げることに全力を尽くした何十万人もの人々がいた。そして彼らは、誰もが望み得た最高の成果を出したと私は思っている」
- 1930年8月5日～2012年8月25日
- アメリカ合衆国出身
- 宇宙飛行士、航空技術者、海軍パイロット、大学教授
- アポロ11号の船長として人類初の月面着陸を果たし、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の言葉と共に歴史に名を刻んだ。20世紀の宇宙探査の象徴的人物である。
英文
”We had hundreds of thousands of people all dedicated to doing the perfect job, and I think they did about as well as anyone could ever have expected.”
日本語訳
「私たちには、完璧な仕事を成し遂げることに全力を尽くした何十万人もの人々がいた。そして彼らは、誰もが望み得た最高の成果を出したと私は思っている」
解説
この言葉は、アポロ計画の成功が少数の英雄的行為ではなく、数十万人に及ぶ技術者、科学者、作業員たちの協力と献身の結晶であったことを明確に示している。ニール・アームストロングは、自身が「月に降り立った男」として称えられることを好まず、常に「チーム」の存在と支えを強調していた人物である。この言葉には、その謙虚な姿勢と、NASAの集団的努力への深い敬意が込められている。
アポロ計画には、NASA職員だけでなく、請負企業、軍、大学研究者など、延べ40万人以上が関わったとされる。その複雑で危険な計画を成功に導くために、部品一つ一つ、計算一つ一つが完璧に行われる必要があり、「完璧な仕事を目指す」という言葉は誇張ではなく、現実に求められた基準であった。アームストロングの評価は、その水準を達成した人々への最大級の賛辞といえる。
この名言は、現代における大規模プロジェクトや科学技術開発にも通じるメッセージを含んでいる。すなわち、偉業は天才一人のひらめきではなく、見えない場所で努力する多くの人々の積み重ねによって支えられているという認識である。成功の背後にある「無名の功労者たち」への感謝と誇りが、この一節には力強く宿っている。
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