「ブレジネフじゃなくて本当によかったよ。クレムリンのロシア指導者なんて、誰かが自分の発言を録音しているかもしれないんだからな」

リチャード・ニクソンの名言
リチャード・ニクソンの名言
  • 1913年1月9日~1994年4月22日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
  • 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。

英文

“I’m glad I’m not Brezhnev. Being the Russian leader in the Kremlin. You never know if someone’s tape recording what you say.”

日本語訳

「ブレジネフじゃなくて本当によかったよ。クレムリンのロシア指導者なんて、誰かが自分の発言を録音しているかもしれないんだからな」

解説

この発言は、ソビエト連邦の最高指導者レオニード・ブレジネフを皮肉交じりに語った、ニクソン特有のユーモアと自己反省が交錯する名言である。表向きには冷戦時代の東側国家の抑圧的で監視的な政治体制を揶揄しているが、同時に、自らのホワイトハウステープ問題を暗に含んだ自己風刺でもある。

特に注目すべきは、「you never know if someone’s tape recording what you say(誰かが何かを録音しているかもしれない)」という一節である。これはソ連の秘密主義や監視国家の印象を語ると同時に、ニクソン自身がウォーターゲート事件で政治生命を絶たれるきっかけとなった録音テープ問題(ニクソン・テープズ)を連想させる。そのため、聴衆はこれを単なる外国批判としてではなく、自己皮肉と制度的監視の二重の文脈で捉えることができる。

この名言は、現代においても、監視社会・情報公開・プライバシーの問題を考える上で重要な視点を提供する。ニクソンのこの言葉は、政治権力と記録技術が交わるときの緊張関係、そしてリーダー自身の発言がいかに自己を脅かすかという、皮肉に満ちた警句として深い意味を持つ。

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