「オリンピックで2位になれば銀メダルをもらえる。だが、政治で2位になれば忘れ去られるだけだ」

リチャード・ニクソンの名言
リチャード・ニクソンの名言
  • 1913年1月9日~1994年4月22日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
  • 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。

英文

“Finishing second in the Olympics gets you silver. Finishing second in politics gets you oblivion.”

日本語訳

「オリンピックで2位になれば銀メダルをもらえる。だが、政治で2位になれば忘れ去られるだけだ」

解説

この発言は、政治の世界における「勝者総取り」の厳しさを、オリンピックの順位制度との対比で語ったニクソン特有の鋭い比喩である。スポーツでは2位も名誉ある成果として讃えられるが、政治の世界では「勝者」以外には権力も実行力も与えられず、敗者は歴史の陰に消えるのみであるという、冷徹な現実認識が示されている。

注目すべきは、「oblivion(忘却)」という語の使用である。これは単なる敗北ではなく、政治的影響力の消失、メディアや国民からの関心の喪失、そして歴史からの消去に等しい沈黙を意味する。ニクソンは1950年代から60年代の政治的挫折を経験し、特に1960年の大統領選や1962年のカリフォルニア州知事選での敗北から一時的に政界を離れたこともあり、この言葉には自身の実体験に基づく痛切なリアリズムが込められている。

この名言は、現代においても、政治の過酷さと、結果がすべてである世界の冷たさを象徴している。ニクソンのこの言葉は、名誉や努力だけでは評価されない、勝たなければ意味がないという政治の非情なルールを端的に描き出す名言であり、同時に勝利の重みと敗北の代償を考えさせる強烈な一言である。

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