「黒人のアメリカ人は、白人のアメリカ人と同様に、依存を永続させるような政府の施策をこれ以上望んではいない。彼らは国家の中の植民地として扱われることを望んでいないのだ」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“Black Americans, no more than white Americans, they do not want more government programs which perpetuate dependency. They don’t want to be a colony in a nation.”
日本語訳
「黒人のアメリカ人は、白人のアメリカ人と同様に、依存を永続させるような政府の施策をこれ以上望んではいない。彼らは国家の中の植民地として扱われることを望んでいないのだ」
解説
この発言は、人種に関係なく、政府による過度な介入や福祉政策による依存状態が、かえって人々の尊厳や自立を損なうというニクソンの主張を明確に表している。彼は黒人コミュニティに対しても、自由・誇り・機会を求めるという点で白人と変わりはないという見解を持ち、特定の人種を「依存の対象」として扱う政策を批判した。
注目すべきは、「colony in a nation(国家の中の植民地)」という強烈な比喩である。これは、黒人がアメリカ社会の中で分離された、支配的な存在からの恩恵に頼らざるをえない存在として扱われることに対する拒絶の姿勢を示している。ニクソンはここで、本当の平等とは、特別扱いではなく自立と責任に基づく参加であると強調している。
この名言は、現代においても、福祉政策と自立支援のバランス、そして少数派への支援のあり方を考えるうえで示唆に富んでいる。ニクソンのこの発言は、尊厳ある個人としてすべての市民が国家に関与すべきだという理念を根底に持ち、依存を前提とする支援ではなく、真の自立を促す社会を目指すべきだという、保守的かつ能動的なメッセージである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?