「テレビ時代において重要なのは、詩のように語れる候補者と、ただ散文しか話せない候補者の違いだ」

リチャード・ニクソンの名言
リチャード・ニクソンの名言
  • 1913年1月9日~1994年4月22日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
  • 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。

英文

“In the television age, the key distinction is between the candidate who can speak poetry and the one who can only speak prose.”

日本語訳

「テレビ時代において重要なのは、詩のように語れる候補者と、ただ散文しか話せない候補者の違いだ」

解説

この発言は、メディアと政治の関係が劇的に変化した「テレビ時代」の本質を鋭く捉えたニクソンの洞察である。ラジオや新聞の時代からテレビへと主役が移ったことで、候補者の演説の内容だけでなく、語り方や表現の美しさ、感情への訴求力が決定的な意味を持つようになった。ここで言う「詩(poetry)」とは、聴衆の心を揺さぶり、希望や理想を語る情熱的かつ象徴的な表現を指し、「散文(prose)」は、理屈や政策を淡々と語る事務的で平板な表現を意味する。

この区別は、テレビ映えするカリスマ性や感情的な訴求力を持つ候補者が有利であるという現実を指摘している。特に1960年のテレビ討論でのケネディとニクソンの対比は、まさにこの「詩」と「散文」の違いを象徴していた。ニクソンはその経験から、政治的メッセージがいかに視覚的・感情的に伝えられるかが、有権者の印象を左右すると学び、このような表現を残したのである。

現代のSNSや動画時代においても、言葉の内容以上に、その届け方や響かせ方が重視される傾向はますます強まっている。ニクソンのこの名言は、政治家が単なる政策の説明者にとどまらず、物語を語り、感情を動かす存在でなければならないという、政治コミュニケーションの本質を突いた警句である。

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