「間違いなく、今後50年のうちに女性大統領が誕生するだろう。おそらく、あなたが思うより早く訪れるかもしれない。女性は男性と同じように、政治のどんな仕事もできるし、できるべきだ」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“Certainly in the next 50 years we shall see a woman president, perhaps sooner than you think. A woman can and should be able to do any political job that a man can do.”
日本語訳
「間違いなく、今後50年のうちに女性大統領が誕生するだろう。おそらく、あなたが思うより早く訪れるかもしれない。女性は男性と同じように、政治のどんな仕事もできるし、できるべきだ」
解説
この発言は、政治における男女平等の理想と、女性のリーダーシップに対するニクソンの肯定的な見解を示すものである。1970年代という文脈において、アメリカで女性が大統領になるという展望を公に語ることは、依然として大胆な主張であった。しかしニクソンは、能力の面でも道義の面でも、女性が政治の中枢で責任を担うことを当然のこととして認めていた。
重要なのは、「can and should be able to do(できるし、できるべき)」という二重の強調である。これは、単に能力があるという事実だけでなく、その権利が社会制度として保障され、認識されるべきであるという強い主張である。また、「perhaps sooner than you think(思っているよりも早く)」という言い回しは、当時の保守的な時代背景を突きつつ、未来への希望を語る含意を持つ。
現代においては、女性首脳の存在は世界各国で一般化しつつあるものの、アメリカではいまだ女性大統領は誕生していない。したがって、ニクソンのこの言葉は、性別による役割の固定観念を打破し、すべての人に政治参加の機会を与えるべきだという理念を先取りした進歩的な発言として、今日もなお意義深い。政治的公平性と能力主義に基づく社会のあり方を提唱した名言である。
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