「ホワイトハウスでのもみ消しは一切行われない」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“There will be no whitewash in the White House.”
日本語訳
「ホワイトハウスでのもみ消しは一切行われない」
解説
この発言は、1973年4月17日、リチャード・ニクソンがウォーターゲート事件に関して国民に向けて行ったテレビ演説での有名な一言である。ニクソンはこの時、側近の辞任を発表し、事件の真相究明に向けた姿勢を示す中で、事件の隠蔽を行わないことを強調する象徴的な言葉としてこのフレーズを用いた。
特に印象的なのは、「whitewash(もみ消し・ごまかし)」という単語の使い方である。これは、真実を隠蔽するために事実を塗り替える行為を意味しており、政治的スキャンダルにおいて最も国民の不信を招く行為のひとつである。ニクソンはこの言葉をあえて用いることで、自らの潔白と調査への協力姿勢を国民に強く印象づけようとした。しかし、後に明らかになる事実は、まさにこの言葉が逆説的な意味を帯びる結果となった。
この発言は、結果的に歴史的皮肉の象徴となった。というのも、ニクソン自身が事件の隠蔽に深く関与していたことが録音テープによって判明し、1974年の辞任へと至るからである。ゆえにこの言葉は、リーダーの発言と行動の乖離がもたらす政治的不信の典型例として、今日でも頻繁に引用される。ニクソンのこの名言は、公的な言葉の重みと、それが裏切られたときの代償の大きさを示す歴史的教訓となっている。
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