「歴代の最高裁長官は、その時代や国家の進路に対して、おそらく多くの大統領よりも深く、永続的な影響を及ぼしてきた」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“Our chief justices have probably had more profound and lasting influence on their times and on the direction of the nation than most presidents.”
日本語訳
「歴代の最高裁長官は、その時代や国家の進路に対して、おそらく多くの大統領よりも深く、永続的な影響を及ぼしてきた」
解説
この発言は、アメリカ合衆国における司法の役割の大きさと、その歴史的影響力の深さを認識したニクソンの見解を表している。三権分立の一翼である司法、特に最高裁判所は、憲法解釈を通じて社会制度や個人の権利、国家の在り方を根本から左右する決定を下す権限を持っている。ニクソンはその力の重みを理解し、しばしば政治以上に歴史を動かす存在として最高裁長官の重要性を語った。
注目すべきは、「more profound and lasting influence(より深く、より永続的な影響)」という表現である。これは、政治的な政策や短期的な支持率とは異なり、司法判断は何十年にもわたって国家の原則や社会構造に影響を与えるという特性を強調している。実際に、ジョン・マーシャルによる司法審査制度の確立や、アール・ウォーレンによる公民権運動の推進的判決などは、アメリカの歴史を根底から変えた司法の力を体現している。
この言葉は現代にも通じる。最高裁判所の人事が大統領選と同じくらいの関心を集めるのは、その影響が広範かつ持続的であるからである。ニクソンのこの名言は、民主主義国家において司法の独立と責任がいかに国家運営の根幹を担っているかを再確認させる警句であり、政治と法のバランスを考える上で極めて重要な示唆を与えている。
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