「私たちが使っているのは連邦政府の金ではない。納税者の金であり、それは納税者がその価値を実感でき、支援を受ける人々に最大限の利益がもたらされるような形で使われなければならない」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“We are not spending the Federal Government’s money, we are spending the taxpayer’s money, and it must be spent in a way which guarantees his money’s worth and yields the fullest possible benefit to the people being helped.”
日本語訳
「私たちが使っているのは連邦政府の金ではない。納税者の金であり、それは納税者がその価値を実感でき、支援を受ける人々に最大限の利益がもたらされるような形で使われなければならない」
解説
この発言は、公的支出に対する責任と効率性の原則を強調したニクソンの財政哲学をよく表している。彼は、政府の予算はあくまで国民から徴収された税金によって成り立っていることを明確に認識し、それゆえに支出の一つひとつが納税者の信頼に応えるものでなければならないと主張した。これは、政府の財政運営における透明性と説明責任を求める姿勢でもある。
特に注目すべきは、「we are spending the taxpayer’s money(私たちは納税者の金を使っている)」という一文である。この言葉には、政府はあくまで公的資源の管理者であり、所有者ではないという立場が示されている。また、「money’s worth(その金の価値)」という表現は、支出の成果や効果を具体的に評価する視点を含んでおり、無駄のない政策実施の必要性を訴えている。
現代でも、社会保障、インフラ投資、教育など多くの分野で公金の使途が議論されている。ニクソンのこの言葉は、政治家や官僚に対し、納税者への説明責任を怠るなという強い戒めであり、同時に、市民に対しても税金の行方を見守る監視者であれという民主主義の基本的姿勢を呼びかける名言である。
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