「今夜、偉大なる沈黙の多数派であるアメリカ国民の皆さんに、私は支援をお願いする」

- 1913年1月9日~1994年4月22日
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
- 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。
英文
“Tonight – to you, the great silent majority of my fellow Americans – I ask for your support.”
日本語訳
「今夜、偉大なる沈黙の多数派であるアメリカ国民の皆さんに、私は支援をお願いする」
解説
この発言は、1969年11月3日のニクソン大統領によるテレビ演説「ヴェトナム戦争に関する国民へのアピール」の中で語られたものであり、「サイレント・マジョリティ(沈黙の多数派)」という言葉を一躍有名にした歴史的な一言である。ニクソンはこの表現を用いて、反戦デモに参加する声の大きな少数派ではなく、声を上げないが安定と秩序を望む大多数の国民に直接訴えかけた。
特に「silent majority(沈黙の多数派)」という表現は、以後のアメリカ政治において象徴的な言葉となり、草の根保守層や無党派層を代表する存在として語られるようになった。ニクソンは、彼らが表立って政治活動を行わずとも、理性と常識によって国を支える柱であると位置づけたのである。
現代においても、「サイレント・マジョリティ」という概念は、分極化した政治の中で忘れられがちな中道や無声の層に再び注目を集める際にしばしば引用される。ニクソンのこの言葉は、政治的支持を訴えるだけでなく、世論の多様性と、表に現れない意見の重みを認める呼びかけであり、民主主義における多数派とは何かを問い直す歴史的な名言である。
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