「他国を抑圧する国家が自由であり得るだろうか? あり得ない」

- 1870年4月22日~1924年1月21日
- ロシア帝国出身
- 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
- ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。
英文
”Can a nation be free if it oppresses other nations? It cannot.”
日本語訳
「他国を抑圧する国家が自由であり得るだろうか? あり得ない」
解説
この言葉は、レーニンが民族自決の原則について述べた一連の著作や演説の中に登場する発言であり、1914年の『民族の自決権に関する批判的注釈』などに見られる思想を端的に表現したものである。彼は、帝国主義的支配や植民地主義を容認する限り、どんなに進歩的な体制でも真に自由な国家とは言えないと断じた。
レーニンにとって、真の自由は他者の自由を前提とする。つまり、ある国が国内で労働者の権利を尊重していたとしても、他国の民族を支配し、搾取しているならば、それは形式的な自由に過ぎないということである。この視点は、当時の大国による植民地支配を鋭く批判し、社会主義運動と反帝国主義闘争の結合を正当化する理論的基盤ともなった。
現代においてもこの言葉は、国際的な人権問題や覇権主義に対する批判の文脈でしばしば引用される。たとえば、自国内では自由と民主主義を掲げながらも、国外では軍事介入や経済的支配を行う国家に対して、レーニンのこの言葉は根源的な問いを突きつける。それは、自由と支配は両立しないという普遍的な政治倫理を表現した、時代を超えて通用する名言である。
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