「被抑圧者は数年に一度、彼らを代表し抑圧する支配階級の特定の代表者を選ぶことだけが許されている」

ウラジーミル・レーニン
ウラジーミル・レーニンの名言
  • 1870年4月22日~1924年1月21日
  • ロシア帝国出身
  • 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
  • ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。

英文

”The oppressed are allowed once every few years to decide which particular representatives of the oppressing class are to represent and repress them in parliament.”

日本語訳

「被抑圧者は数年に一度、彼らを代表し抑圧する支配階級の特定の代表者を選ぶことだけが許されている」

解説

この言葉は、レーニンが1917年に著した『国家と革命』における、ブルジョワ民主主義に対する批判の一節として知られている。彼はこの中で、議会制民主主義が形式的な自由を装いながらも、実質的には資本家階級による統治装置にすぎないと厳しく批判した。つまり、選挙制度があっても、選ばれる候補者の大半は支配階級の利益を代表する者であり、被支配層の真の解放にはつながらないという指摘である。

レーニンはここで、民主主義の形式と階級的実体の乖離を突いている。彼にとって、議会制度は労働者の意見を聞くためではなく、支配の正当化と再生産の道具である。このような見解は、マルクス主義における国家=階級支配の道具という理解の延長線上にあり、プロレタリアートによる新たな政治形態――すなわちソビエト(評議会)を基盤とする直接民主制の構想へとつながっていく。

現代においてもこの名言は、選挙と民意の乖離、政治のエリート主義化、既得権益層の固定化といった問題に対する批判的視点として引用される。たとえば、大企業のロビー活動によって政策がゆがめられる現象や、形式的な選挙制度が実質的な変革を阻む事例において、民主主義の見かけと実質の乖離を問う警句として今なお鋭い力を持っている。

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