「革命を起こすときには、足踏みしてはならない。常に前進するか、さもなくば後退するしかない。今この時に『報道の自由』を語る者は、後退し、我々の社会主義への突進を妨げる者である」

- 1870年4月22日~1924年1月21日
- ロシア帝国出身
- 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
- ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。
英文
”When one makes a Revolution, one cannot mark time; one must always go forward – or go back. He who now talks about the ‘freedom of the press’ goes backward, and halts our headlong course towards Socialism.”
日本語訳
「革命を起こすときには、足踏みしてはならない。常に前進するか、さもなくば後退するしかない。今この時に『報道の自由』を語る者は、後退し、我々の社会主義への突進を妨げる者である」
解説
この言葉は、レーニンが1918年に述べたとされる言葉として記録されており、社会主義政権下における言論統制の正当化に関する代表的な発言の一つである。文脈としては、革命直後の不安定な時期に、反革命的言論やブルジョワ新聞が体制転覆に利用されることを危惧したレーニンが、自由の一時的制限を擁護したものである。
この発言には、革命期においては通常の市民的自由よりも、体制維持と変革の推進が優先されるという緊急主義的立場が表れている。レーニンは、ブルジョワ的自由は、階級的現実を覆い隠す道具にすぎないとし、プロレタリア独裁の正当化のためには、報道の自由を制限することも必要であると主張した。この姿勢は、後のソ連における言論統制の理論的根拠ともなっていく。
現代においても、この言葉は革命的理想と自由の関係を問う議論においてしばしば引用される。一方で、言論の自由の制限が体制の硬直化や市民の疎外につながるという批判的視点も存在する。この名言は、革命的急進主義と自由主義の根本的な緊張関係を体現するものとして、歴史的にも思想的にも重要な意味を持っている。
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