「資本主義社会における自由とは、古代ギリシャの共和国と同様、奴隷主にとっての自由にすぎない」

- 1870年4月22日~1924年1月21日
- ロシア帝国出身
- 革命家、政治理論家、弁護士、国家指導者
- ロシア革命を主導し、ソビエト連邦の建国者として知られる。マルクス主義を実践的に展開し、20世紀における共産主義運動の象徴的存在となった。
英文
”Freedom in capitalist society always remains about the same as it was in ancient Greek republics: Freedom for slave owners.”
日本語訳
「資本主義社会における自由とは、古代ギリシャの共和国と同様、奴隷主にとっての自由にすぎない」
解説
この言葉は、レーニンの著作『国家と革命』(1917年)に記された明確な一節であり、彼の思想を端的に表すものである。レーニンはここで、資本主義における「自由」という概念が、実際には支配階級に限られたものであることを批判している。形式上の自由はあっても、経済的従属関係が労働者を事実上の奴隷状態に置いているという認識に基づいている。
この発言は、古代ギリシャの民主主義が奴隷制という基盤の上に成立していたという歴史的事実を引き合いに出し、資本主義国家における「選挙」や「言論の自由」もまた、富裕層によって操作されているとする。つまり、経済的支配が政治的自由を無効化するという構図を描いているのである。
現代においても、レーニンのこの見解は格差社会や大企業による政治献金の問題などを考える上で有効な視点を提供している。たとえば、投票の自由があっても、メディア支配や教育格差によって、実質的な選択肢が歪められている場合には、本当の意味での「自由」が存在しないという議論につながる。経済的独占と政治的自由の両立は幻想であるという警句として読むことができる。
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