「『信念』という言葉は私にとって難しいものだ。私は信じない。ある仮説を立てるには理由が必要だ。何かを知っているなら、それを知っている。それに対して信じる必要はない」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“The word ‘belief’ is a difficult thing for me. I don’t believe. I must have a reason for a certain hypothesis. Either I know a thing, and then I know it – I don’t need to believe it.”

日本語訳

「『信念』という言葉は私にとって難しいものだ。私は信じない。ある仮説を立てるには理由が必要だ。何かを知っているなら、それを知っている。それに対して信じる必要はない」

解説

この名言は、ユングが信念と知識の違いについて語ったものである。彼は、何かを「信じる」ことよりも、それが根拠や理由を伴って確信できる形で「知る」ことを重視している。この姿勢は、彼の科学的心理学のアプローチを反映しており、直感や信仰だけではなく、観察や経験を通じた検証が重要であるという考え方を示している。

「信じる」とは、しばしば証拠や理由が不十分な状態で行われる心理的な行為である一方、「知る」は、経験や理解を通じて確信に至る状態を指す。ユングは、個人の精神的探求においても、盲目的な信仰に依存するのではなく、自己の経験や内省を通じて知識を得ることが重要であると考えた。

この言葉は、現代社会においても重要なメッセージを持つ。特に情報が溢れる時代において、無条件に何かを信じるのではなく、批判的思考を持ち、自分自身で理解し納得することが求められる。この名言は、盲目的な信仰を避け、経験や知識を通じて物事を理解し、確信を持つ重要性を教えている。そして、それが個人の精神的自由と成熟に不可欠であることを示唆している。

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