「子どもの中で、意識は無意識的な心の深層から現れ、最初は孤立した島のように見えるが、次第に結びついて『大陸』、すなわち連続した意識の陸地を形成していく。精神の発達が進むとは、すなわち意識が拡張することを意味する」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“In the child, consciousness rises out of the depths of unconscious psychic life, at first like separate islands, which gradually unite to form a ‘continent,’ a continuous landmass of consciousness. Progressive mental development means, in effect, extension of consciousness.”

日本語訳

「子どもの中で、意識は無意識的な心の深層から現れ、最初は孤立した島のように見えるが、次第に結びついて『大陸』、すなわち連続した意識の陸地を形成していく。精神の発達が進むとは、すなわち意識が拡張することを意味する」

解説

この名言は、ユングが意識の発達プロセスについて述べたものであり、特に子どもの心における無意識と意識の関係を象徴的に説明している。彼は、子どもの意識は初めから完成されているものではなく、無意識の深層から徐々に形成され、拡張されていく過程であると考えた。この過程を「島」から「大陸」への変化として捉えた比喩は、意識の発展が段階的であり、統合を伴うことを表している。

ユングの心理学では、無意識が意識の基盤として存在し、意識が拡張することで個人の自己理解や成長が促進されるとされる。この名言は、特に子どもにおける初期の発達段階において、意識が断片的に現れ、それが経験や学習を通じて統合されていくプロセスを強調している。また、この「統合された意識」は、個人の精神的成熟や内面的な安定にもつながる。

現代において、この言葉は子どもの発達だけでなく、成人の自己成長にも適用できる。たとえば、新しい経験や学びを通じて、私たちは無意識的だった部分を意識に引き上げ、それを統合することで人格を豊かにする。この名言は、意識を広げることが個人の成長や進化の本質であり、そのプロセスが段階的であることを受け入れる重要性を教えている。また、精神の発達が単なる知識の習得ではなく、内面の深い理解と統合を伴うものであることを示唆している。

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