「すべてを約束する人間は、何ひとつ果たせないことが確実であり、過剰な約束をする者は、その約束を果たすために邪悪な手段を用いる危険にさらされ、すでに破滅への道を歩んでいる」
- 1875年7月26日~1961年6月6日
- スイス出身
- 精神科医、心理学者
- 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した
英文
“The man who promises everything is sure to fulfil nothing, and everyone who promises too much is in danger of using evil means in order to carry out his promises, and is already on the road to perdition.”
日本語訳
「すべてを約束する人間は、何ひとつ果たせないことが確実であり、過剰な約束をする者は、その約束を果たすために邪悪な手段を用いる危険にさらされ、すでに破滅への道を歩んでいる」
解説
この名言は、ユングが過剰な約束や誠実さの欠如が持つ危険性について警告したものである。彼は、過剰な約束が現実的でないだけでなく、それを果たそうとする過程で道徳的な境界を超える危険性をはらんでいると考えた。この名言は、人間の誠実さ、現実性、そして自己制御の必要性を強調している。
すべてを約束する態度は、一見して寛大さや自信の表れのように見えるが、実際には不可能な目標を掲げることで信頼を損ないかねない。さらに、それを果たすためのプレッシャーが、短絡的で倫理的に問題のある行動を引き起こす可能性を秘めている。ユングは、こうした行動が人間を破滅(perdition)へと導くと指摘している。
現代において、この名言は特にリーダーシップや社会的な約束の問題に通じる。政治家や企業が大衆に対して非現実的な約束を行い、それを果たせないことで信頼を失う例は少なくない。この言葉は、現実的で誠実な約束を行うことの重要性を教えており、誠実さと倫理が人間関係や社会的責任において欠かせない要素であることを強調している。そして、過剰な約束がもたらす危険性を認識し、慎重で責任ある行動を取るよう促している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?