「依存の形が何であれ、それは有害である。たとえそれがアルコールやモルヒネ、あるいは理想主義であったとしても」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“Every form of addiction is bad, no matter whether the narcotic be alcohol or morphine or idealism.”

日本語訳

「依存の形が何であれ、それは有害である。たとえそれがアルコールやモルヒネ、あるいは理想主義であったとしても」

解説

この名言は、ユングが依存の本質と危険性について述べたものである。彼は、物質的な依存(アルコールや薬物)だけでなく、精神的な依存(理想主義や特定の思考パターン)もまた有害であると考えた。依存は、自己を制御する力を弱め、他者や外的要因に自己を支配させることにつながる。

特に「理想主義」を挙げている点は、興味深い。ユングは、高尚な理想であっても、それが過度に固定化されると、人間の柔軟性や現実感を失わせる可能性があると警告している。理想に取り憑かれることで、他者を裁いたり、現実と乖離した行動をとる危険性が生まれる。つまり、依存は物質的であれ精神的であれ、自由と成長を妨げるという点で共通している。

現代社会において、この名言は非常に重要な教訓を含んでいる。私たちはしばしば、仕事、SNS、成功への執着、さらには特定の信念体系に依存しがちである。それらが一見ポジティブなものであっても、過度に依存すると、バランスを失い自己を見失う可能性がある。この言葉は、内的な自由とバランスを保つことの重要性を思い出させ、自己を依存から解放し、健全な自己統合を目指す道を示している。

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