「意識的で個人的な精神は、遺伝的かつ普遍的な無意識的心理構造の広い基盤の上に成り立っていると考えることで、おそらく真実に最も近づけるだろう。そして、個人の精神は、集合的無意識に対して、個人が社会に対するのと同じ関係を持っている」
- 1875年7月26日~1961年6月6日
- スイス出身
- 精神科医、心理学者
- 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した
英文
“We shall probably get nearest to the truth if we think of the conscious and personal psyche as resting upon the broad basis of an inherited and universal psychic disposition which is as such unconscious, and that our personal psyche bears the same relation to the collective psyche as the individual to society.”
日本語訳
「意識的で個人的な精神は、遺伝的かつ普遍的な無意識的心理構造の広い基盤の上に成り立っていると考えることで、おそらく真実に最も近づけるだろう。そして、個人の精神は、集合的無意識に対して、個人が社会に対するのと同じ関係を持っている」
解説
この名言は、ユングの「集合的無意識」の理論を簡潔に表現している。ユングは、個々の精神(パーソナル・サイキ)が、個人的な経験だけでなく、遺伝的に継承された普遍的な心理的基盤、すなわち集合的無意識の上に成り立っていると考えた。この集合的無意識は、神話、夢、象徴といった共通の心理的要素を通じて人類全体に共有されているものである。
ユングは、個々の精神が社会に依存しているように、私たちの個人的な精神も、集合的無意識と密接に結びついていると主張する。この視点に立つと、個人の心理や行動を完全に理解するには、その人の内的な世界だけでなく、彼らが属する文化や歴史、さらには普遍的な人間の体験を考慮する必要があることが分かる。
現代において、この考え方は、心理学や社会学、文化研究に大きな影響を与えている。例えば、私たちの行動や思考の中にある普遍的なパターンや無意識的な反応を理解することで、個人と集団の関係性をより深く探ることができる。この名言は、個人の精神が孤立して存在するのではなく、広い集合的な基盤に支えられていることを認識する重要性を教えている。また、それを理解することが、自己や他者との調和を築く鍵となる。
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