「私を食らうなら、どうしてその食らう者を称賛しろと強要するのか?」

ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキーの名言
  • 1821年11月11日~1881年2月9日
  • ロシア帝国出身
  • 小説家、哲学者
  • 『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』、『白痴』などの作品を通じて、人間心理と哲学的テーマを深く探求した

英文

“Is it not possible to eat me without insisting that I sing praises of my devourer?”

日本語訳

「私を食らうなら、どうしてその食らう者を称賛しろと強要するのか?」

解説

この言葉は、権力や搾取の不条理に対する痛烈な皮肉を表している。弱者や被支配者が、強者や支配者に搾取されるだけでなく、その行為を称賛することまで求められるという状況を風刺している。これは、人間の尊厳を二重に侵害する行為であり、ドストエフスキーの思想の中で繰り返し批判されるテーマでもある。

ドストエフスキーの作品には、このような権力構造への疑念や反発が頻繁に描かれる。『罪と罰』では、社会の不平等や正義の歪みが、主人公ラスコーリニコフの行動に深い影響を与える。また、『カラマーゾフの兄弟』では、神と人間の関係、善と悪の問題が描かれ、支配する側とされる側の関係性が哲学的に探求されている。この言葉は、強者が弱者にさらなる服従を強いる理不尽さを象徴する

現代においても、この言葉は多くの場面に当てはまる。例えば、労働環境での不平等や、社会的弱者が声を上げることすら許されない状況など、権力構造の不均衡は依然として存在する。搾取や不公平がある状況で、その状況を称賛することまで求められるのは、人間の尊厳に対する重大な侵害である。この言葉は、その理不尽さを鋭く問いかけている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る