「美は神秘的であると同時に恐ろしいものでもある。そこでは神と悪魔が戦っており、その戦場は人間の心である」
- 1821年11月11日~1881年2月9日
- ロシア帝国出身
- 小説家、哲学者
- 『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』、『白痴』などの作品を通じて、人間心理と哲学的テーマを深く探求した
英文
“Beauty is mysterious as well as terrible. God and devil are fighting there, and the battlefield is the heart of man.”
日本語訳
「美は神秘的であると同時に恐ろしいものでもある。そこでは神と悪魔が戦っており、その戦場は人間の心である」
解説
この言葉は、美という概念が持つ二面性を深く掘り下げている。美は感嘆や感動を引き起こす一方で、誘惑や破滅をもたらす力を秘めている。そのため、美は人間にとって魅力的であると同時に、心を揺さぶる危険な存在でもある。このような美の特質は、神聖さと罪深さが交錯する領域として捉えられている。
ドストエフスキーは、作品を通じて人間の内面の葛藤を描き続けた。『白痴』に登場するムイシュキン公爵やナスターシャ・フィリッポヴナといったキャラクターは、美が持つ魅惑的で破壊的な側面を体現している。美は人間を高みに引き上げる可能性を持つ一方で、堕落や混乱を引き起こす要因にもなり得る。この言葉は、その葛藤がいかに人間の心の中心に存在しているかを象徴的に表現している。
現代においても、この言葉は私たちの生活に深い意味を持つ。美は芸術や自然、または人間関係の中で重要な役割を果たしているが、それが時に人々を競争や嫉妬、消耗へと導くこともある。美をどう受け止め、どのように付き合うかは、私たち自身の心の在り方にかかっている。この言葉は、美の本質を見つめ直し、それを超えた人間性のあり方を問いかけている。
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