「人間には寛容であるべきか、あるいは完全に破壊するべきである。中途半端に害を与えると復讐を招くが、徹底的に害を与えれば報復する力を失わせることができる。したがって、人に害を与える場合、その害は復讐を恐れる必要がないほどでなければならない」
- 1469年5月3日~1527年6月21日
- フィレンツェ共和国(イタリア)出身
- 政治思想家、外交官
- 『君主論』を著し、近代政治学の基礎を築き、現実主義的な政治思想を提唱した
英文
“Men ought either to be indulged or utterly destroyed, for if you merely offend them they take vengeance, but if you injure them greatly they are unable to retaliate, so that the injury done to a man ought to be such that vengeance cannot be feared.”
日本語訳
「人間には寛容であるべきか、あるいは完全に破壊するべきである。中途半端に害を与えると復讐を招くが、徹底的に害を与えれば報復する力を失わせることができる。したがって、人に害を与える場合、その害は復讐を恐れる必要がないほどでなければならない」
解説
この名言は、力と抑制における徹底性の重要性を説いている。マキャヴェッリは、敵に対して半端な措置を取ると逆効果となり、報復を招く危険性があると警告している。一方で、徹底的な行動を取ることで、相手の報復能力を根絶し、自身の安全を確保できると述べている。この考えは、敵対者や潜在的な脅威に対する対応における彼の現実主義的な視点を反映している。
彼の時代背景では、イタリア諸国間の争いや権謀術数が横行しており、権力者が生き残るためには冷徹な判断が必要だった。中途半端な行動は、不満を持つ敵を育て、さらなる混乱や攻撃を引き起こすリスクが高かった。寛容と徹底のいずれかを選択することが、長期的な安定を得るための鍵であるとマキャヴェッリは考えた。
現代において、この名言はリーダーシップや紛争解決の戦略に関連づけて考えられる。たとえば、競争相手や対立者との関係では、曖昧な妥協や中途半端な措置がさらなる対立を引き起こす可能性がある。一方で、問題を完全に解決するか、相手と明確な和解をすることが重要である。この名言は、曖昧な行動を避け、徹底的で明確な対応を取ることの必要性を教えている。
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