「高潔な人間は、自分より高い理想によって自分を比較し評価する。一方、卑しい人間は、自分より低い基準によってそうする。前者は向上心を生み出し、後者は野心を生むが、野心は俗物的な人間が目指す方法である」
- 121年4月26日~180年3月17日
- ローマ帝国
- ローマ皇帝
- ストア派哲学の影響を受け、また『自省録』を著し、哲学的指導者として理想的な統治を実践し、後に五賢帝と評された
英文
“A noble man compares and estimates himself by an idea which is higher than himself; and a mean man, by one lower than himself. The one produces aspiration; the other ambition, which is the way in which a vulgar man aspires.”
日本語訳
「高潔な人間は、自分より高い理想によって自分を比較し評価する。一方、卑しい人間は、自分より低い基準によってそうする。前者は向上心を生み出し、後者は野心を生むが、野心は俗物的な人間が目指す方法である」
解説
この名言は、人間の自己評価と目指すべき理想が、その人格や行動の質を決定するという深い洞察を示している。マルクス・アウレリウスは、ストア哲学の観点から、自分自身を高い理想や価値観と照らし合わせることで成長を促す重要性を説いた。この言葉は、自己成長のための正しい目標設定と、他者との比較を避ける必要性を示している。
「高潔な人間が高い理想と自分を比較する」という部分は、自己超越を目指す姿勢を象徴している。ストア派の哲学では、徳や理性といった普遍的な価値に基づいて自己を磨くことが推奨される。一方、「卑しい人間が低い基準と比較する」という部分は、自己満足や他者を見下すことで安易に優越感を得ようとする態度を批判している。この違いは、向上心と野心という異なる動機付けの質を反映している。
現代では、この名言は、個人の成長やキャリアデザインにおいて重要な教訓を与える。たとえば、高い目標を設定し、自分の可能性を引き出す努力をすることで、長期的な成長と充実感が得られる。一方で、他者と比較して自己価値を測ることは、嫉妬や自己卑下、虚栄心を生む原因となる。この名言は、自分自身の理想を内面的な価値に基づいて設定し、外的な評価や比較に囚われない生き方を教えている。
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