「すべての物事が変化によって起こることを常に観察せよ。そして、宇宙の本質は、存在するものを変化させ、それと似た新しいものを作り出すことを何よりも愛していると考える習慣を身につけよ」
- 121年4月26日~180年3月17日
- ローマ帝国
- ローマ皇帝
- ストア派哲学の影響を受け、また『自省録』を著し、哲学的指導者として理想的な統治を実践し、後に五賢帝と評された
英文
“Observe constantly that all things take place by change, and accustom thyself to consider that the nature of the Universe loves nothing so much as to change the things which are, and to make new things like them.”
日本語訳
「すべての物事が変化によって起こることを常に観察せよ。そして、宇宙の本質は、存在するものを変化させ、それと似た新しいものを作り出すことを何よりも愛していると考える習慣を身につけよ」
解説
この名言は、変化が宇宙の本質的な特性であるという哲学的洞察を表している。マルクス・アウレリウスは、ストア哲学の自然観に基づき、万物が絶えず変化し続けることを受け入れ、これを自然の摂理として理解するよう促している。この考え方は、変化を恐れたり抵抗するのではなく、むしろそれを自然の一部として受け入れる態度を養うことを提案している。
「宇宙の本質は変化を愛している」という部分には、変化が破壊ではなく創造を伴うプロセスであることが示されている。ストア派は、変化が新たな成長や秩序の形成をもたらすものであり、宇宙の調和の中で不可欠な役割を果たしていると考えた。この名言は、変化が人間のコントロールを超えたものではあるが、それが調和的で目的を持ったものであることを示唆している。
現代では、この言葉は変化が激しい社会や個人の人生に対する心構えとして役立つ。たとえば、技術革新や環境の変化など、予測不可能な出来事が頻発する中で、この教えは、変化を受け入れ、それを新しい可能性として捉える視点を与えてくれる。また、変化を成長や創造の機会と見ることで、困難な状況にも柔軟に対応する力を養うことができる。この名言は、変化を自然の摂理として敬い、それを楽しむ心の平穏を育む教えである。
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